気まぐれ日記 02年10月

02年9月の分はここ

10月1日(火)「夜空を見上げる風さんの巻」
 例によって早起きして書斎へ。外は雨。台風が近付いていて、昨夜から降り続けている。大型の台風で直撃しそうな進路である。今年も残り3ヶ月となった。これからはビッグなイベントはほとんどないので、執筆に専念できるだろう。何とか、良い作品を書き上げたいものだ。
 新しい節に入っていて、アイデアもかなり出ているのだが、相変わらず執筆スピードが遅い。恐らくドラマチックな展開が不足しているので、イマいちアクセルが踏み込めないのだろう。
 道路の渋滞を予想して5分早く出発した。ロードスターにしてから、濡れた路面でもグリップしているし車体がロールしないので安心感がある。有料道路走行の所用時間は、数分短縮されているのではないか。・・・でも、到着は遅れて定時を過ぎた。オフィスまで傘をさしながらとぼとぼ歩いていると、右足がガクっときた。すわ、老人性骨疎鬆症かと思いきや、よく見たら、靴のかかとが割れていた。よく履いたな、この靴。
 毎日多忙であり、洪水のように来る社内メールなど時間をかけて読んでいる余裕はない。それがたまりにたまっていた。午後になって、多少時間があったので読み始めたが、疲れてしまい、中断した。
 今日は、半年に一度の夜回り当番である。惰性で深夜残業をしてしまわないように(サービス残業は論外)、上司が許可した者だけが深夜残業できる制度になっている。実態を確認するために職制が職場内を見て回るのである。当番制で時間は10時過ぎ。これでは、帰宅してからの執筆は無理である。7時まで仕事をして、それから食事に行き、食後は史料を席で読むことにした。自宅でできない分の穴埋めである(いじましい!)。でも、部下や職場の仲間がけっこう残っているので、ときどき雑談を交わしてしまう。まあ、いくらか読めた。
 夜回りを終えて急いで帰宅した。雨はほとんど上がっている。夜の道路は空いていた。帰ってすぐ入浴し、新聞を読み、読書を3ページし、・・・パソコンは触らず。ストレッチしてベッドへ入ったのが午前零時少し前である。寝室の窓から外を見上げると、台風一過の空が不気味に明るかった。

10月3日(木)「久々に大ボケ・・・の風さん」
 さて、今朝は寒くて目が覚めた。また何もかけずに寝てしまったか、と思いきや、ちゃんと毛布をかぶっていた。老人性寒い寒い症候群が出始めたのかもしれない。少し疲労気味だったので、いつもより30分ぐらい朝寝したため、今朝の執筆は30分程度だった。今日は行きに有料道路を少し飛ばした。やはり早い。ずいぶんと時間短縮になる。速度制限がなければもっと出せるのだが、・・・。
 仕事はマイペース。でも、今日はちょっと不調。昼休みも頭痛気味で、読書は数ページにとどまった。
 明日は執筆有休なので、早く帰ろうと6時過ぎに退社した。駐車場までとぼとぼ歩いていると、右足に違和感が・・・。げげえ〜。く、靴が・・・、口が開いている。靴先の接着部分がはがれているではないか! この靴もけっこう履いている。なんと、1週間に2足もダメになってしもうた。ちぇ。誕生日のプレゼントにワイフに靴を買ってもらおう。
 帰宅して、カバンの中身を片付けていたら、重要なものを会社に忘れてきたことに気付いた。昼休みに読んでいた史料である。今まさに書いている部分の重要文献で、なくてはならないものだ。しかし、取りに行っていたら、往復で2時間を費やしてしまう。明日行こうものなら、ついでに仕事だってしかねない。これは絶対にやばい! ああ。ボケたくはないものだ、と今さら愚痴っても仕方ない。そこで、一計を案じた。会社の信頼している部下に電話して、今夜宅急便で送ってくれるように頼んだのだ。恐らく土曜日の午前中には届く。それまでは、史料なしで、とにかく先を書き続けてみる。かえって、その方が良いときもあるからだ。


10月4日(金)「外界は秋晴れ、行楽日和・・・の風さん」
 昨日退社して駐車場内の舗装路を歩いていたら、とてもいい匂いがした。金木犀である。匂いはしばらく体にまとわりついて、甘い思い出がよみがえってきた。大学生のころ神戸にいる好きな子に会いに行ったときも、すごくいい天気で暑いくらいだった。動物園でデートしたのだけど、金木犀の匂いが漂っていた気がする。今は昔の物語・・・今昔物語じゃないって!
 執筆は結構体力を使うので、久しぶりに8時間寝てやった。ざまあみろ(誰に向かって言ってる?)。
 重要史料がないので、やはりはかどる。しかし、書いているそばから「下手くそだなあ」ともう一人の自分がため息をつく。これに耐えながら書き続けるのが、実は一番つらいのだ。途中で息抜きのメールチェックをしながら書き続けた。どうしても調べたいことがあったので、近所の知人と東海大学の言語学の先生へメールで質問した。さっそく近所の知人から図書館に辞典があるという情報が寄せられ、昼食後にちょっと行って来た。空は抜けるような青さ。こういうときはどこか遠くへ遊びに行きたいなあ。辞典コーナーへ直行する。あった! これがきっと答に違いない、と思ってメモって帰ってきたら、夜、先生から返信メールがあった。緻密な調査結果で、どうやら私が得た答は勘違いだったらしい。でも、図書館で知人と会えて少し話ができたので元気が出た。
 まだ執筆の続きをやらねば。

10月7日(月)「で、出たぁ〜!・・・の風さん」
 土曜日の午前10時過ぎに宅配便が届いた。これで史料は完璧。夜、子供らの送り迎えでロードスターを走らせた以外は、ほとんど執筆に専念できた。体調はちょっと怪しいが、幸せ、と言えるんだろうなあ。深夜1時前に、その日の目標までたどり着いたので、ビールを飲んで寝た。
 昨日は、全体を読み返して修正できるところは修正しようという作戦で、朝から原稿を読み出した。やはり乗って書いているところはまあまあの出来である。午後になって、だんだんある部分に近付いていった。つまり、先月のパソコントラブル部分である。夕方から、とうとうそこへ踏み込んだ。結構修正したと思っていたが、ぐちゃぐちゃの部分が多かった。これは校正履歴を表示させた状態で不正終了したことが原因である。その復元に結構時間をとられ、リファインどころでなくなった。結局、10時過ぎまでかかって、どうにか乱れた部分がなくなったらしいので、印刷を開始した。今回執筆できた部分まで印刷することにして、A4で300枚である。原稿用紙に換算すると、630枚くらいか。その後ろに超ラフ原稿があるので、今日までの原稿枚数は約700枚である。これが最後までたどり着けば、恐らく900枚ぐらいだと思われる。それをリファインして第1稿になれば、1000枚ではないか。その後はどうなるか、今は予測ができない。すべて打ち合わせ次第である。
 印刷が終了したのが午前1時前だった。途中でやはりインクカートリッジがなくなった。でも予備を買ってあったので、すぐ交換できた。この3ヶ月で原稿用紙300枚程度増えた勘定になる。朝・昼・晩と頑張った甲斐があった。月曜日は早起きミーティングがあるが、昨夜も慰労をかねてビールを飲んで寝た。
 午前中に原稿を宅配便で送るようにワイフに頼んだ。
 いつの間にか秋になってしまい、夜は虫の声が騒々しい。我が家で飼っていないのに出現する虫が、そろそろ出なくなる季節だ。それにしても今年はゴキの出現が少なかった。書斎に例の装置を設置してからは1匹も姿を見せない。台所へ設置してからは、洗面所では出現したが台所では出現していない。もともと虫の発生が少ない年なのか、それとも多少は装置が効くのか、今は判断しかねる。しかし、言えることは、今年は出現が少なくて助かった、ということである。
 今日は朝から体調がイマイチ。寝不足もあるが、鼻がぐすぐす言っている。午後には耐えられなくなり、風邪かなと思いつつ、もしかしてとも思い、抗ヒスタミン剤を服用すると、たちどころに直った。何の原因かは不明だが、夏には全く出なかった花粉症の発現である。やれやれ。
 帰りに給油したら、燃費が9.8km/Hに落ちていた。そりゃそうだろ。だって、朝の出社時、有料道路を時速@@@km/Hで走っているのだから。

10月8日(火)息も絶え絶えの折り返しだった・・・の風さん」
 夕べはホームページをアップしたところでダウン。そのままグッナイ(good night)。
 それでも今朝は6時前に起床して書斎へ。昨夜書けなかった返信メールを2通書いただけで、もう出社時間になってしまった(やっぱりおいらはノロマ)。
 今朝はジャズシンガー天宅しのぶさんのCD「I Should Care」を携えてロードスターへ。実は執筆中の風さんはジャズかクラシックピアノをバックに流していることが多い。適度に音楽が聴こえているというのは、集中力を高めるものだ。もちろん集中しているときは聴いていない。ふと気が散りかけたときに音楽へそれて、また戻ってくるのである。ロードスターは運転が楽しいので、音楽は必ずしも必要ではない。が、聴くときは聴く。前の車はカセットデッキがすぐに壊れてしまったので、もっぱらFMラジオであった。ロードスターにはまだ壊れていないカセットデッキと初めてのCDが搭載されている。天宅しのぶさんの「I Should Care」が気に入っているのは、ムーディーな曲がそろっていることだ。聴いていてとても気持ちいい。歌っている本人を知っているというのも楽しい。そばで歌ってくれているような気になる。天宅さんのホームページをご覧いただくと分かるが、なかなかユニークなキャラクターの女性である。パソコンはマックの愛好者で、なかなかの腕前らしい。私のように半端な人間ではない。話をしていても楽しい人である。このCDには12曲入っているのだが、会社の駐車場に着くころは、全部聴き終って、最初に戻り2曲目になっていた。
 出社してすぐ行ったところは健康管理センター。年に一度の定期健康診断である。昨年は、このオプションの便潜血検査でひっかかったことから、人間ドックを受けることになり、さらにそこから、専門病院で胃カメラを飲むことになったという涙と笑いと感動のドラマが始まったのだった。今年はそういうのはもうまっぴらなので、オプションはお断り。ただメニューの中に超音波診断があったので、また医者から何か言われるな。「腹の中にたまった原稿はすべて吐き出しなさい」って、・・・なわけないか。握力は低下していたし、視力も低下、あ〜あ。
 で、もう帰宅してしまう(途中は面白くないので)。さっと夕食をとり、4週間ぶりのトレーニングに行ってきた。健康診断の結果はきっと悪いぞ。今夜は軽く流して、血圧異常なし。体重は4週間前に比べて1kgも増えた。それで、肥満度が+0.1%。体脂肪率は体重増が効いて17.9%であった。やっぱり無理してたんだなあ。

10月9日(水)「田中耕一さんおめでとうございますの巻」
 島津製作所に勤める若きエンジニア田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞された。同じように企業に勤めるエンジニアの一人として、そして光栄にも同じ大学出身者として、心からお祝いを申し上げたい。
 テレビの記者会見風景を見ていて、非常に好感を抱いた。作業服姿というのも良かったけれど、受け答えが技術者らしい実直さがあふれていて、ああこの人は事実を事実として、決して本質を捻じ曲げたりはしない人だな、と感じた。テレビで映っている最中に奥様からの電話がケータイに入って、ちょっと慌てながらもそれに応えている様子など、無欲で飾らない人柄が滲み出ていた。
 大学や研究所で長年研究していて、自他共に認めるぐらい注目されている人がもらえるのがノーベル賞だと思っていた。が、こういった民間企業に勤める研究者の研究成果に対しても、見ている人はちゃんと見ているんだという証明みたいに、授賞となった今回のケースは非常に意義あることだと思う。企業での研究は企業の利益が優先される傾向が強い。学会や権威による評価はもちろんのこと、金銭的な評価だって、社内報奨制度で厳しい限界が設定されているものだ。だから、最近特許関係で、日亜化学や味の素で訴訟が起きたりしている。そういった世界に、今回のニュースは、企業内研究者の励みになるばかりでなく、企業側にとっても彼らの欲求をいかにして満足させてやるか、新たな選択肢が出てきたわけで、恐らく大きな波紋が生じるであろう。
 帰宅して、遅く食事をとっているときに、読売新聞から電話がかかってきた。田中さんの受賞についてのコメントを求められた。記者が有能な方で、うまく誘導されて、上記のようなコメントをさせてもらった。取材が終わってしばらくして記事の案がファックスで届いた。読んでから反省した。しかつめらしいコメントを垂れるだけでなく、もっと祝福の言葉、同じような立場の者としての喜びの言葉を述べるべきであった。

10月12日(土)「ひたすら構想を練る風さんの巻」
 
今週は、新しい節の時代背景をひたすらレビューしていた。なかなか頭の中で整理できない。それだけ幕末というのは複雑なのだ。でも、優秀な頭脳の持ち主だったら、さっさと理解して執筆に着手できるのだろうが。
 いちおう途中原稿が出せたということで、今週は精神的に余裕があり、雑多な用事も済ませつつ日を過ごしてきた。不思議とこういうときには幸運が重なるもので、久しぶりの激励メールが届いたりする。しかも女性。天宅しのぶさんからのメールもそれだった。昨日は、会社の診療所で「ああ、頭痛いなあ(病気ではありません)」と目をつぶっていたら、ある女性社員から「鳴海先生」と声をかけられた。元うちの職場にいた人で、今は別の職場で働いている。びっくりしたのは言うまでもないが、うれしかった。彼女にしても、私の姿を偶然見つけて、急に会社から別の世界へワープした気分になったそうだ。別れてから、しっかりメール交換はしておいた。また、頑張らねば、という気になる。
 昨夜、帰宅時に給油したら、今回は10.5km/Lを記録した。エアコンを使わなければ、そして暴走しなければ、二桁は行く。
 今日、読売新聞が届いた。私が住んでいる読売新聞中部支社が出しているのとは違う。読売新聞大阪本社が出している新聞である。衝撃的なニュースが日本中を走った翌日、10日の朝刊で、識者の声として、載っていた。同じ欄には、コラムニストの泉麻人氏、京都大学名誉教授森毅氏がコメントを寄せていた。無名の私は、自動車部品メーカーに勤めながら時代小説を書いている作家の鳴海風さん、と注釈付きであった。こういう偉大な出来事にコメントを出させていただき、うれしい限りである。あらためて、田中耕一さんと記者氏にお礼を述べたい。
 出版社の都合で、来週の打ち合わせが延期されたので、切符の変更をしてきた。執筆で忙しいときにこういった切符の買い替えとかやっていると少々焦る。でも、今日はとても助かったことがあった。某図書館で借りたい本があったのだが、あらかじめ図書館の知人にメールで頼んで出しておいてもらったので、すぐ借りられた。こういった連携プレイはよほど呼吸が合っていないとできない。ただ、問題は、私の借りたい本は、なかなか地元の図書館にないことだ。やはり国会図書館、国立公文書館、東大史料編纂所などですね・・・って、東京は遠いぜ。
 まだ、今日が終わったわけではないが、時代背景の整理をしながら、ひたすら構想を練っているところだ。

10月13日(日)「またまた誘惑の虫が・・・の風さん」
 連日歴史の勉強に余念がない風さんである。
 そこへ、うれしや、神田紅さんから「会のお知らせ」が届いた。夏の怪談会には行けなかったので、申し訳ないことをした気がしていた。案内状にはしっかり紅さんの肉筆で激励の文句が書かれてあった。その部分だけ紹介すると、「風さんも頑張って!!私はふぅふぅ言ってます」
こう毎日女性から励まされたのでは、男として頑張らざるを得ない・・・なんちっち。
 今回の案内の中から是非行ってみたいと思ったのは、ふたつ。月末の「山陽追善興行」夜の部(新宿末広亭)と来月初の「ウーマンティナー赤穂秘話」(イイノホール)である。末広亭は紅さんの師匠の3回忌ということで、神田一門がたくさん出演するだけでなく、女流立体講談もあるし、その他落語や奇術など盛りだくさんである。ウーマンティナーは紅さんはじめ女流の芸人でそろえた赤穂義士ものである。浪曲あり落語あり。もちろんトリは紅さんの「南部坂雪の別れ」だ。
 早速紅さんのファンクラブみたいなヤッホー紅隊の知人へメール送信してみると、はたしてヤッホー紅隊は全員会に馳せ参じるとの回答だった。それなら風さんも行かねば、と思ったが、なにしろ会が東京でウィークデーなのである。これはちょっと工夫しないと行けませんぞ。・・・ということで、ここから先は企業秘密。
 いずれにしても執筆を頑張らねば行けませぬ。

10月14日(月)「毎日何をしているかというと・・・の巻」
 珍しく今日は会社は休みである、公式の休日。それで3連休なのだが、毎日受験生みたいに歴史の勉強である。これもすべて幕末を取り上げたせいである。人物が多く、記録が多い。読者も相当によく知っていると思われる。その上を行こうというのだから、これはちと骨が折れる。先ず、一般的な知識は押さえておいて、自分の専門分野に注力し、さらにフィクションを織り交ぜて、「へえ〜。こんなことあったの?」と気持ちよく読者を騙す(言葉は悪いが)。そこまでのプロセスが大変である。それで、もう足掛け3年になってしまった。年表もかなり充実してきている。この財産は後で生かさなければもったいないな。専門語や固有名詞などをどんどん辞書ツールに登録しているので、これも将来役に立つだろう。今夜もまだまだ続くのである。
 多忙なので、某書庫から借りてきた古い本を、まるごと次女にアルバイトでコピーしてもらった。約1時間半の節約である。次女は1ヶ月分に匹敵する小遣いを手に入れた。このようにコピーしたい本がまだ数冊ある。買える物は買ってしまうのだが、絶版になっているとお手上げだ。古本屋をじっくり見て歩く余裕もないのである。図書館などで検索して借り受け、その場でコピーするか、家でコピーしてしまう。それが手っ取り早い。
 夕方、トレーニングに行ってきた。血圧はまあまあ。体重は少し落ちた。肥満度−1.4%で、体脂肪率は18.9%。体脂肪量は落ちていない。これが問題。この間新聞で、小谷実可子のボディビル観戦レポートを読んだら、ボディビルダーは試合前には体脂肪率が1%未満になっているそうだ。そこまで行かなくても、筋肉質でありながら結構スリムで、体が軽く動く状態に維持できるといいな、と思う。太っていて、動きが鈍くて、見た目も老人で、それでロードスターで飛ばしているんじゃ、こりゃ罰が当たるわな。

10月19日(土)「熱のせいで頭がおかしい・・・の風さん」
 悲惨な1週間であった。火曜日から会社が始まり、日増しに変調していった。そもそも気まぐれ日記は鳴海風の日記であり、会社生活のことは極力書かないことにしているのだが、これだけ私生活・・・というより精神生活に影響が出ると触れざるを得ない。
 とは言え、生活の糧であるから、すべて暴露し不満をぶちまけても仕方ない。後味が悪くなるだけだ。
 そういう中で、ぎりぎり体調にだけは気を遣ってきたつもりだったが、限界を超えたようだ。
 昨日帰宅してから、何となく妙な感覚があった。午後からの頭痛が尾を引いていたし、疲労感もあった。久しぶりに書斎に入ってメールチェックし、返信メールを書き出すと、文章が支離滅裂である。名文も情緒たっぷりな文章も書けないが、技術屋らしく論理的な文章は得意だ。それが持ち味かもしれない。が、昨夜の文章は呂律の回らない舌でまくしたてているようで、嫌悪感にさいなまれた。それで、とにかく早く就寝した。
 約8時間半寝て、今朝はすっきり起床した・・・かに見えたが、午前中はたらたらと過ごし、午後はダウン。鼻水が出ていたのでアレルギーかと抗アレルギー剤を飲んでもみた。頭が重いので、頭痛薬も飲んでみた。疲労かと思い、結局栄養をとりつつ体を横たえ、ひたすら休養につとめた。夕方起き出してみると、体の感覚から微熱があった時独特の節々の凝りを感じた。夕食前に文庫の短編を1本読んでみると、頭にすんなり入らない。何度も読み返す。異常だ。
 貴重な執筆の時間なのに・・・、と焦るが、今夜はおとなしくして、明日に賭けようと思う。

10月20日(日)「とにかく突っ走ってみた・・・の風さん」
 せっかくの休日にダウンしたんじゃ、焦るぜ。でも、これだけピンチになると、かえって容易に開き直れるものだ。
 今朝は何とか普通の体調で起きることができたので、トレーニングを諦めて、1日かけて執筆を進めることにした。
 食事や小休憩をはさみながら、1日5クールの執筆ペースである。大体1クールは1.5時間から2時間になる。適度にCDをかけたり、アロマテラピーでカモマイルの香りを部屋に充満させたりする(変な趣味だって? 余計なお世話じゃ。こっちはとにかく執筆のためには手段を選ばないの!)。
 外は雨が降ったり止んだりである。秋晴れの中で書斎に籠もっているのは何となく落ち込むけど、これなら、まいいか、という気になる。そうして、日もとっぷりと暮れて、そろそろ1日が終わろうとしている。
 どうにか不調の昨日と今日で24枚ほど書き進んだ。出来は悪いだろうが、悪条件下では満足してもいいだろう。普通の調子なら、トレーニングなどにも出かけて、30枚以上は進んだと思う。とにかく、弾みがついているので、明日からも大いに期待できる。
 そうしてあと1週間死に物狂いで頑張れば、来週末には落ち着いて上京できるだろう。

PS
 わ、わ、わ・・・。ページをアップしてひとっ風呂浴びに行ったら、で、で、出たあ〜! チビゴキが1匹。目を近づけてよく見ると、死んでいるみたいだった。ちょうど風呂用洗剤のボトルの底の近くで、洗剤の毒で目を回しているのかも知れない・・・と思い、そのボトルで突いてみた。ぴくりとも動かない。ホッとした。こうなると、勇気凛々(ゆうきりんりん)、海内無双(かいだいむそう)のサムソンかシュワちゃんか、というくらい気が大きくなる。それでも、恐る恐る石鹸箱に収納して、開けた窓から外へぽいーってね。わっはっはっははは・・・(黄金バット)。ん? 誰だ? 窓を開けたとき覗いていた奴は!?

10月21日(月)「鳴海風は原始人の巻」
 日曜日の調子を維持するために、今週も<朝・昼・晩>シフトで突っ走ることにする。
 今朝は早朝MTG.があるけれども、無理矢理5時起床で、出勤前にパソコンに向かった。
 が、何故か頭がスッキリしない。1日でこんなに絶不調になるものだろうか。結局、ネットサーフィンなんぞをしながら、資料探しをしているうちに、出勤時間が来てしまった。会社の昼休みも持参した史料を眺めているうちに頭がボーッとしてきて、結局それでおしまい。
 今日は帰りに半年に一度の歯科検診に行った。最近は虫歯などできることはないのだが、毎回歯垢がたまっているところが決まっていて、注意される。今回もいつも通りのパターンに・・・と思ったら、医師が特別に警告を発してきた。「歯茎の裏側まで歯垢がたまりかけているので、歯槽膿漏になる恐れがありますよ。事前に処置しておきますか」というのである。こういうことには、すぐ飛びつくのが私のキャラである。
 大学時代、悶々とした日々を送っていた。これは高校時代からの延長である。こういう時は、妙に体をいじめたくなる。重病なら自殺するのかもしれない。高校時代はせいぜい献血に通うぐらいで済んでいた。大学時代は、抜歯かな。親知らずがあると確実に抜くと評判の歯科医がいて、わたしは肝試しに出かけた。変な方向へ向いた親知らずが少しだけ頭を出していたのだ。案の定、抜かれた。その後、親知らずが続けて変な方向へ飛び出してきたので、せっせと歯科医へ行き、皆抜いた。全部で4本抜いた。現代人は顎が小さくなっているし、親知らずも4本とも生えるのは少ないらしい。しかし、私は見事に4本ともこの世に誕生させ、ことごとく闇に葬った。
 と、ところが、その後、異変が起きた。なんと、上の前歯の裏に1本小さい歯が生えてきたのだ。まるで置き忘れてきた乳歯みたいだった。過剰歯というらしい。それも抜いた。すぐ抜けた。と、と、ところが、ストーリーはそこで完結はしなかった。左下奥にきちんとした角度で、5本目の親知らずが生えてきたのである! これは何と呼ぶのだろう。子知らずか。「上に噛み合う歯がないから、健全な歯だけど意味ありませんよ」という医師の指摘もものかは、「記念にとっておきたい」ということで、残しておくことにした。その歯は虫歯になっても治療して今でも残っている。
 8020活動というのがある。80歳でも自分の歯を20本残そう、というものである。私は1本余分にストックがある・・・なんぞとうそぶいている場合じゃないか。現代人から遠い存在。すなわち原始人に近いのかもしれない。氷河時代の忘れ物「鳴海風」かな。

10月22日(火)「なぜか絶不調・・・の風さん」
<朝・昼・晩>シフトの2日目となった。
 早起きした。パソコンへ向かったが、依然として頭がボーッとしたままだ。いい加減な文章になりそうだったが、そのまま入力してみる。やっぱり超いい加減な文章しか出てこない。花粉症も出てきたので、薬を飲んだ。
 昼休みも同じ。不調。帰宅は昨日より遅くなった。超高速で(私にとってね)夕食をとり、1時間余分に頑張ってみたが、妙な原稿しかできない。小説の神様が降臨されないから、というのとは全く違う。書きたいイメージはできているのに、構成された文章がたたき出されないのだ。だらだらと続くだけ。嫌になって史料を調べ出したら、愛知県図書館にある図書を借りたくなった。余裕があれば、明日の夜にでも行きたいところだ。インターネットでは見つからないので、ぐっと我慢して、書斎の中から必死で探す。どうにかそれらしきものが二つあった。これで史料は五つになった。今回はこの五つをベースにして、今度時間ができたときに愛知県図書館へ借りに行くことにする。
 気分転換に少しゆっくり入浴して就寝することにした。就寝時間はいつもより1時間遅い。

10月23日(水)「絶不調の原因は会社?・・・の風さん」
<朝・昼・晩>シフトの3日目である。
 いちおう早起きはした。パソコンへも向かった。とにかくキーボードへ打ち込んでみた。ダメだった。ろくな文章しか出てこない。いったい何なんだ? これは? この状態は?
 ワイフ手作りのパンを食べて出社。元気出るかな? 昼まで予定通りの行動をして、昼休みに気まぐれ日記を書いた。午後もずーっと予定通りの行動をしていたが、途中で夜7時からの会議が入ってしまったので、早目の帰宅が不可能となった。愛知県図書館へ行く決意をしてなくて良かった。でないと、キレていたぜ。仕事は終わらなかったが、6時から7時までデスクで史料読みをした。
 会議は9時過ぎまで続き、今夜はたまっていた怒りを爆発させてしまった。そう。大人気ないのだ、風さんは。
 ここのところ不愉快な気分のまま帰宅することが多いが、ロードスターで帰れるとうれしい。本当に良く走ってくれる。自動販売機で缶コーヒーを買って、さらに気持ちを落ち着かせながら運転する。小気味良い走りだ。剛性の高さが体に伝わってきて気分がだんだん高揚してくる。愛車にニックネームをつけたいが、適当な名前が浮かばない。日本の女性の名前では問題が起きそうなので、ハリウッドのスターとかミュージシャンかな。もち、女性よ。
 帰宅したら、神田紅さんの講談のチケットが届いていた。来週行くぞ。ちなみに、その夜の講談では、私と同じ歴史文学賞作家の市原麻里子さんとも会えそうである。楽しみだ。前夜祭(?)では天宅しのぶさんと会う予定。なんだまた女性だらけじゃないの! そう。鳴海風は女性の優しさに飢えている〜って嘘、嘘。ロードスターの愛称はやはり日本名か?

10月25日(金)「とてもフツーの会社員じゃない・・・の風さん」
 昨日はたくさんのメル友からメールが届いていて、うれしかった。
 時間のない風さんは、退社時に駐車場へ向かう道すがら、ケータイで自宅のパソコンのメールチェックをする。プロバイダーが系列会社なのでできる無料サービスである。
 広告メールやメルマガは開かない(当然だろう)。メル友メールだけ開いて確認する。これが来ていると、帰りのドライブはさらに気分が乗ってくる。で、昨日はたくさん来ていてうれしかった。
 いちおう<朝・昼・晩>シフトを守っている。・・・が、相変わらず文章がおかしい。頭の中の論理回路が壊れてしまったらしく、支離滅裂だ。会社の仕事は優秀な部下がばっちりサポートしてくれるので問題はないが、個人事業の小説家はモロに仕事の質へ影響する。ときどきもう引退すべきなのか、と弱気になってしまう。そういうときもメル友からのメールに励まされる。ありがたい。
 昨夜は、帰宅時にチェックしたメールのお陰もあって、少し執筆がはかりどりかけた。・・・ところが、そこへワイフがパソコンをいじりに書斎へ入ってきた。このパターンはパソコントラブル発生パターンなのである。これで何度パソコンがおかしくなったことか。それぞれ専用のパソコンをいじるわけだが、後ろから恐怖の囁き声。「あ〜。これ、なんだ?」「あれ? どうすればいいの」「ね、ね、ね。ちょっと来てよ」・・・「うっせえなあ」と何度も立ち上がり、パソコン画面を覗いてやる。「こんなもの、こうすりゃいいじゃんか」と一番手間のかかる方法を教えてやる。・・・と、「もっと簡単にやれる方法があるんでしょ?」ときた。「チキショー」風さんだって知らないものは知らない。が、ヘルプですぐ簡単操作が見つかることは知っているので、ヘルプを操作してみせる。案の定、うまい方法が出てくる。「ほら。ちゃんとあるじゃないの!」「そんなもの自分で探せよ」「だって、ヘルプの使い方知らないんだもん」・・・。
 で、就寝時間が1時間以上も遅くなってしまった。
 で、今朝は早朝ミーティングである。いつもより50分は早く自宅を出なければならない。寝不足のままベッドから起きだして、短い時間しかなかったが、出社前執筆を20分だけやった。
 昼休みの史料読みも数ページで疲れてしまい(頭がボーッとしちゃうのよね)、ちょっと目をつぶっていたら、気が遠くなってきた。するともう昼休み終了のチャイムだ。このままでは午後はもたないのではないかと思い、がむしゃらに報告書類作成に集中した。この勢いで小説もできるといいのだが、会社の書類と小説とでは難度が違い過ぎる。
 あっという間に定時だ。頭が痛い。寝不足のせいか、仕事の疲れか、恐らくその両方だろう。何となく先週末の状態と似ている。やばい気がする。
 帰宅して、食事をとって、ひとまず寝ようと思った。
 駐車場までの道すがら、例によってメールチェックすると、天宅しのぶさんからのメールが来ていた。「よし。今夜も頑張ろう!」・・・が、夕食後、ちょっと仮眠するつもりが、目覚めたらもう0時半過ぎ。結構寝てしまったのに頭が重い。このまままた寝てしまうと、<朝・昼・晩>シフトが崩れるので(ってもう崩れているぞ!)、書斎へ重い体を運んできた。

10月26日(土)「やっぱりフツー、生身の風さんだったの巻」
 今朝の5時ころまで頑張ったが、どうにも体調が悪い。花粉症らしい。それで、抗アレルギー剤を服用して、また仮眠することにした。
 再びベッドから起き出したのが8時である。途中で何度も眠りが浅くなり、妖しい夢を見ていた。何となく匂いがしそうな淫売宿に迷い込んでいるのだが、景色はどう見ても病院の中である。昔ならオキシドールの匂いが鼻につく所だ。ふらふら歩いていくと、看護婦ならぬ淫売女が半透明なカーテンの間から出たり入ったりしている。どうもカーテンの向こうは集中治療室のようだ。変な夢だった。
 朝食をとって、朝刊を読んだ。キム・ヘギョンさんの詳細インタビュー記事が載っていた。これだけしっかりした受け答えができる中3女子が日本にいるだろうか、と思ってしまった。共産国とはいえ、これだけの人格者を育てた北朝鮮を日本も見習うべきではないだろうか。少なくとも、一人の親として、私は大いに反省してしまう。そして、キム・ヘギョンさんの北朝鮮のお父さんとお義母さんの気持ちを思いやった。報道はされていないが、北朝鮮にも祖父母とか叔父さん叔母さんがいるかもしれない。彼らの気持ちを、である。この報道姿勢には大いに疑問を覚える。一方で、ふと大岡裁きを思い出すな。
 午前中の執筆も花粉症との闘いだった。が、どうやら、これは花粉症ではなく、正真正銘の風邪のような気がしてきた。なぜなら、薬が効かないばかりか、ひと雨降っても鼻水がおさまらないからだ。しっかり栄養を補給した昼食後も1時間ほど仮眠してしまった。少々熱っぽい。やはり無理すれば風邪もひくわな。
 体調は悪いが、何度も書斎へ入り、パソコンへ向かう。そろそろ当初計画を諦めざるを得ない状況になってきたが、それでもやらねばならぬ。少し着込んで、体を冷やさないようにして執筆を続けた。
 夕方から、だんだん症状がおさまってきた。恐るべき体力である。
 無理しなければ、明日はベストの体調で執筆できそうだ。
 午前零時に今日の執筆を中断した。

10月27日(日)「変な一日・・・の風さん」
 結局、ここ2週間は、体調不良だった。そういう中で、まあ、随分足掻いたというか、よくやった、としておこう。
 でもね、できなかったあ〜! 目標を達成できなかった。会社の仕事ならたとえ60点でも40点でも、たとえ20点でも時間がきたらそれが結果である。試験みたいなものだ。ところが、これが自分の小説になると、どうだ。まるで趣味のごとく際限なく時間と労力を投入している。なぜだあ〜? と叫んでも、木霊(こだま)じゃないから、何も返ってこない。ほとほと情けなくなる。
 昨日の時点でもう物理的に不可能なポイントにきていたのだ。
 午前中は、執筆と全く関係ないことをしていた。8月に入手したJR東海のエクスプレス・カードのパソコン設定をし、週末の新幹線の切符を予約した。ところが、これに膨大な時間をとられてしまった。理由は、帰りの切符が満席でなかなか取得できなかったからだ。帰りは11月2日(土)である。できるだけ早く帰ってこようと、早い新幹線からオーダーを入れたのだが、これがことごとく蹴られる。しまいには「のぞみ」や「こだま」も織り交ぜてみるのだが、ダメ。結局、昼過ぎに帰ってくる「ひかり」しか取れなかった。世の中は連休。しかも行楽の秋、ときている。
 昼食後、町の文化祭を見るために体育館へ出かけた。病み上がりで少しフラフラする。めまいがするほど多くの作品が陳列してあった。毎年驚くことだが、精神的に豊かな生活を送っている人が多い。ロシアの劇場のテロ事件やアメリカの狙撃事件、日本の代議士の刺殺事件など、世の中、決して安穏としていられる状態ではないのだが、地球上のすみっこの当地にはきわめて平和な空気が流れている。そして、そのぬるま湯の中で、鳴海風は「できない。できない」と愚痴を垂れながら、小説を書いているのだ。この幸せ者が! 地獄に落ちるぞ!
 帰宅してから、延々と執筆の続きをやった。
 今日までの分を追加送付する予定だったが、あまりにも中途半端で、送付は中止した。
 出版社へFAXを入れようと、初めてデスクトップのパソコンに挑戦した。ヘルプ機能を使って調べてみると、Windows XP の初期設定では、FAXプログラムはインストールされていないとのこと。手順通りにインストールしたら、うまくインストールできた。続けて、FAX ウィザードを使って、送付状を作成し、今すぐ送信するにチェックを入れたら、あらあら不思議、ちゃんと送れた。送信完了と同時に「ファンファーレ」である。すげえ簡単。もっと早くトライすれば良かった。
 さて、明日からどうするか、これから考えねばならない。

10月28日(月)「ひとりごと・・・の風さん」
 明け方、寒くて目が覚めた。本当に体が冷えている。冬眠に入りかけている。あるいは凍死・・・か。慌てて布団をかけた。暑さも寒さも平気な風さんだが、寒さの方からいけなくなってきた。寄る年波には・・・か。
 詳細は書けないが、昨日も大ヘマをやらかした。絶句。今日は、会社から帰るとき、個人持ちのノートパソコンが死んでいた。よく見たら、朝から電源コードをつながずに使用していた。バッテリー切れである。連日の大ヘマ。
 
今日は、往復の車の中で神田紅さんの講談CDを聴いた。二つ入っていて、それぞれ2回ずつ聴いた。講談や落語は時代小説の勉強にもなるので、今後もロードスターの中で聴こう。・・・しかし、ロードスターと講談や落語は合わない・・・か。ま、いいや。
 愛車ロードスターに外国人女優の名前をつけようかと思案していたら、アシュレイなんてどう?という提案があった。「ダブル・ジョパディ」のアシュレイ・ジャッドにちなんで、どうか、というのである。なかなかカッコいい名前だし響きも気に入ったのだが、続けて「アシュレイ・ロードスター」と声に出して言うと、「走れ、ロードスター」に聞こえそうだ。「走れ、コータロー」みたいなので、やめておこう。ミッシェルとかジェニファーなんてのも・・・いいな。

10月30日(水)「最近何をやっているのか不明・・・の風さん」
 そういえば、28日は某出版社に勤務しておられた知人から、定年を待たずして独立したとの葉書を頂戴した。定年を待たずして(少しでも元気なうちに)というところが共感できた。若いうちは年をとると心身ともにどうなるか、全く想像もできなかった。ひとことで言えば、チャレンジがやりにくい、すべてに守りの態勢に入りがちになるのだ。しかし、考えてもみよ。あと10年もしてごらんなさい。日本人の4人に1人は60歳以上か65歳以上になってしまうのだ。社会が経済的にも力学的にも安定して回転していくために、先ず女性がどんどん社会に進出した。次に起こるべきことは、高齢者の社会進出(というか早期引退・隠居しない)である。消費者の4分の1が高齢者になれば、当然シルバービジネスが盛んになるし、今まで対象としなかった高齢者を対象とした新たなビジネス展開も生じてくるに違いない。小説を売ろうと思ったら女性をターゲットにするのが上策である。これからは中高年から高齢者へと読者層を広げていくのが手かもしれない。
 随分と前置きが長くなった。話は再び女性問題へと移る。風さんの元気の源「女性ファン」シリーズへと無理やり引っ張っていくのである。執筆は苦戦しているが、せっかく上京するのだから、と銀座方面へも出没の噂を流している。すると、ぼちぼち返信メールもきだした。うれしい。これで、作品が完成していれば、のびのびと遊べるのだが。
 東大史料編纂所へ依頼してあった2回目の複写が届いた。85枚で1万円超である。マイクロフィルム撮影をしてからA4版へと引き伸ばすので、二度手間もあって高額なのだ。明後日も訪問して、3回目の依頼をする予定。今度で終了で、ほぼ3冊丸ごとに近いコピーが完成する。

10月31日(木)「コンビニ頼りの風さんの巻(1)」
 作家としての時間を確保するため、今日と明日は有休である。
 夕方の新幹線で上京するので、普通に起床して出発時間まで執筆に専念した。少しだけ進んだ。調べながら書くタイプなので本当に時間がかかる。
 いよいよ出発時間が迫ってきた。こんな時でもまだ何を着ていくかで迷う。面倒なのでワイフ任せ(というより、どこに服があるのか分からない)。あれこれ迷って変更。結局、黒を基調とした渋い格好になった。中身は悪いが、外側は何とかサマになった。
 名古屋駅のコンビニで夕食用におにぎりを2個買った。それと貴族へのお土産。
 何となく疲れていて、新幹線の中で短編を1本読んだだけ。あとは、めったに使わないケータイ・インターネットで壁紙とかスクリーンセーバーをダウンロードして遊んだ。あと天宅しのぶさんのケータイへもうすぐ行くよメールを送った・・・らすぐ、返信が来た。
 東京に着いたのは8時半頃である。途中またコンビニで明日の朝食と昼食用のパンを買って、銀座のホテルへ直行してチェックイン。
 デジカメを持って貴族へ。途中、まだ見ぬ「小眉」を横目で見上げる。やけに男の客引きが多い。半年ぶりの銀座は少し異様なムードが漂っていた。
 地下1Fの店に入ったら、陽子ちゃんがいた。お土産を渡す。ママさんに合図。ピアノの横では、天宅しのぶさんが歌い始めるところだった。奥の席に陣取った。久美ちゃんは別のお客のサービス中。
 ママさんとお久しぶりの話をしているうちに、相変わらずの寝不足と空腹をかかえて親友がやってきた。
 それからは、もうひたすら天宅さんや久美ちゃんとおしゃべりの連続。ただ恐ろしいことに、こうして遊んでいる間に、地下にもかかわらずケータイへメールが来た。通話は不可能なのだが、メールだけは届く。
 大サービスで写真(左は天宅さんとのツーショットで、右は久美ちゃん)を公開しよう(小さくね)。ただし、このページはまもなく「風さんの隠れ家」へと移る。



02年11月はここ